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~指圧の話 母指尖押圧~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 母指尖押圧
母指の部位と各種押圧方法

 

 

今年2025年(令和7年)も3月半ばになりました。年初に実父が急死し色々な混乱がありました。精神的に辛い日々が続きました。毎年年初に発表している今年のテーマ。一年を通じて課題というか研究する内容のようなものなのですが、今年は~按マ指を探求する~です。按摩マッサージ指圧の頭文字をとったのが按マ指。あん摩マッサージ指圧師という国家資格名からです。通称“あまし”と略されることがあります。この場合は資格名でもあり、3つの技術(按摩、マッサージ、指圧)の総称でもあります。徒手療法の国家資格であるあん摩マッサージ指圧師は、すなわち3つの技術を修得していることを意味します。私ははり師ときゅう師の国家資格を持ち鍼灸も行います。昨年のテーマを~灸術を高める~として、お灸の技術を向上させるように努めました。今年はもともと得意としている徒手療法を深く求める、つまり探求することにしました。その一環として指圧について深く考えてみようと思います。

 

指圧。一般の方は指で押すことを指圧だと認識していると思います。間違いではないのですが正確ではなく、あん摩マッサージ指圧師のいう指圧はもっと範囲が広くなります。そこの解説は省きますが単に指先で押すことが(我々あん摩マッサージ指圧師がいう)指圧ではないということです。ただ認知されているのは親指で体を押すことが一般的な指圧のイメージでしょう。ある年代より上の人ですと故浪越徳次郎氏の浪越指圧がイメージされる。親指を母指といい、母指で押すことを母指圧といいます。その母指圧ですが技術的に細かく分けることができます。

 

指圧では押すことを押圧操作といいます。どの部位を用いて押圧するかで名称が変わります。

母指(親指のこと)→母指押圧(あるいは母指圧)

手根部(手のひらの付け根で手首側の固い部分)→手根押圧(あるいは手根圧)

手掌(手のひらのこと)→手掌押圧(あるいは手掌圧)

四指(親指以外の指全部)→四指押圧(あるいは四指圧)

このようにあん摩マッサージ指圧師は手指部のどこを用いて押圧するか分けます。(※これら以外にも押圧操作で用いる部位はあります。本題とずれるので全部は紹介しません。)

 

さらに母指での押圧操作においても、母指のどの部分を使うかで更に分けます。

母指尖:親指の先端部。爪に近い部分。

母指頭:親指の先。爪の下あたり。

母指腹:母指頭より中枢に近いところで柔らかいところ。

私の母校で用いるあん摩マッサージ指圧実技の教科書『按摩・マッサージ・指圧(新版)-実技編-(学校法人呉竹学園編)』ではもっと細かく部位を分けていますがひとまずこの3種類を挙げておきます。

 

圧の強さは上から強くなります。物理学の話になりますが圧力は力に比例して面積に反比例します。強く押せば当然強い圧になるのですが、当たる面積が小さいほど圧も強くなるのです。母指尖は母指頭よりも面積が狭いわけなので、同じ力で押せば圧が強くなります。かつ母指尖は皮膚が薄いので母指頭より固いのでなおさら圧が強く感じます。母指腹は面が広い上に母指頭より柔らかいので母指腹での押圧は母指頭よりも当たりが柔らかになります。それを踏まえて私は臨床で母指押圧を使い分けてきました。

 

いえ違います。きちんと使い分けるようになったのはつい最近でした。

 

昨年、恒例の単身京都旅行をしたときのこと。京都のあん摩マッサージ指圧師さんと会って情報交換をしました。その方は私のように鍼灸師ではなく純粋なあん摩マッサージ指圧師。特に按摩に情熱を持っている先生です。その方から関西伝統指圧の存在を聞きます。私はそのとき初めて聞いた技術でした。話によるとそれは母指尖で押圧をすることがあるとのこと。きちんと受けたり見学したりしたわけではないので詳細は定かではないのですが、そのような情報を得ました。そしてその後の昨年11月。長生学園の講師とお話をする機会があり、そこでも関西伝統指圧のことを聞きました。長生学園とは東京にあるあん摩マッサージ指圧師だけを養成する専門学校です。晴眼者向けの専門学校では浪越学園と長生学園の2校だけがあん摩マッサージ指圧師単独の専門学校です。他は私の母校のように鍼灸も併設されています。その長生学園の講師からも同じように関西伝統指圧は指の先端で押すという話を耳にしました。この2人からの話から母指尖を使うことを意識しました。

 

更にイベントで浪越学園卒、長生学園卒の先生とイベントでマッサージブースを出す機会がありました。私は呉竹卒のあん摩マッサージ指圧師として3流派がそろうという。他の先生二人は鍼灸師ではなくあん摩マッサージ指圧師のみ。徒手手技に対するこだわりが私より強いのです。そのことをイベントを通じで感じました。私は鍼灸師でもあるので鍼灸も含めて考える癖がついていました。母指圧が弱くても鍼を刺せばいい。そのような気持ちが知らず知らずのうちについていました。指だけでやり切る覚悟が足りなかった。自分の指を守るため。強い刺激は鍼や灸を使えばいいので筋肉を緩める程度で構わない。そのような甘さが出ていました。母指での強圧を避けていたのでした。

そのことに気付いてから状況に応じて母指尖での押圧を使うようにしました。すると患者さんの反応が良くなりました。鍼灸をするしないとは関係なく母指圧をしたときの反応が。このとき20年やってきて母指での押圧操作がより深く理解できた気がします。私は鍼灸師であり柔道整復師でもありますが、あん摩マッサージ指圧師。指圧だけの施術だってあるわけです。きちんと指で効果を実感してもらう場面があります。そのときにきちんと指圧をする。母指を使い分ける。そのためには母指尖を意識する。このようなことを考えるようになりました。個人的に大きな発見です。10月には恒例のチャリティーマッサージがあり、その日は按摩指圧のみです。また繰り返しになりますが今年のテーマは~按マ指を探求する~。これまで得意で人よりできると過信していた按摩、マッサージ、指圧のことをより深く研究する1年です。余談ですが改めて実技の教科書を読むと細かい手指の使い分けが記載してあり、とても勉強になりました。見落としていたのか、忘れていたのか。押圧操作の理解がもっと深まりました。

 

これまでは母指頭か母指腹での押圧操作しか使っていませんでした。そこに母指尖を使うことを意識することで幅が広がりました。ここから更に応用していき使いどころを細かく考えていこうと思います。

 

甲野 功

 

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