開院時間
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昨日は『DANCE GRAND Harajuku』で行われた「第3回学連OBOGダンスフェスタ」に参加してきました。
学生競技ダンス連盟、略して“学連”。全国の大学にある競技ダンス部で組織された団体です。競技ダンスとは社交ダンスを競技として行うこと。現在はダンススポーツと呼んだりします。厳密にいうとダンススポーツには競技ダンス以外にもブレイキン等が含まれるのでやはり競技ダンスといった方がいいでしょう。私は東京理科大学に入学し、この学連という世界を知り、そして足を踏み入れました。それは、その後の人生と今の仕事に大いに関係するものでした。
学連経験者が集まる学連OBOG企画がいくつかあるのですが、その一つがこの「学連OBOGダンスフェスタ」です。東京農業大学出身の新井健伊稚先生・新井由紀子先生が主催する「学連OBOG同好会」というものがあり、2ヵ月に一度のペースでパーティー形式がメインのイベントがあります。他にも「学連OBOG練習会」という、こちらは練習会形式のイベントもあります。他にも学連OBOGが出場する全国大会もあります。「学連OBOGダンスフェスタ」は「学連OBOG同好会」の延長線上にあり、新井由紀子先生の他に何名かの主催者によって行われるパーティー形式のイベントです。年に一度のペースで開かれ、今回で3回目となります。会場の『DANCE GRAND Harajuku』は飲食スペースとダンスフロアの両方を持った画期的なダンススタジオとなっており、食事も出るパーティー形式で行われました。なお会場は新井先生らが所属するダンススタジオで昨年から利用しており、第1回は外部施設を借りて開催したそうです。私は昨年第2回から参加しています。主催者の新井由紀子先生達は私の学連同期となります。大学は違いますが同じ年に入部したわけです。そのため私にとってはやや同窓会という気持ちもあります。学連という世界は特殊で交流が密接。他大学でも頻繁に顔を会わせるので仲良くなる、あるいは直接面識がなくても知っている、ということが往々にしてあります。今回のフェスタにも数多くの同期が参加しました。この年齢になると同級生と会う機会はほぼありませんし、2月に行われた東京理科大学舞踏研究部のOBOG会ですら私の同期は誰もいませんでした。
この年齢になると多くの同期が競技から引退しています。競技ダンスにはプロフェッショナル部門とアマチュア部門があり、新井由紀子先生らはプロフェッショナル部門。アマチュア部門の中に独立して存在するのが学連というイメージです。学連は大学4年間しか在籍できないので卒部後にプロになる者はプロフェッショナル部門として競技を続け、社会人としてアマチュア部門の競技を続けるか、が競技選手としての道です。プロフェッショナル部門はもちろんアマチュア部門の競技も引退するくらいの年齢です。もちろん現役として競技会に出場し続ける選手もいて、新井由紀子先生と同じ東京農業大学出身の井崎健太先生は現役バリバリで何と今が一番成績が出ているのです。井崎健太先生は私の代における全日本学生競技ダンス選手権大会(夏全といわれる)のモダン総合チャンピオン(現在はスタンダードと呼びますが当時はモダンといいました)。モダンとラテンと2種類のカテゴリーがある学連。モダン専攻だった私には学生日本一の同世代を代表する選手。同期がいまだに現役選手でありプロフェッショナル部門のトップにいることは誇りです(ちなみに彼のパートナーは東京理科大の後輩なのでなおさら思い入れがあります)。学連というガチガチの競技ダンス経験者たちが年齢を重ねて、社交ダンスとして文字通り交友を深めるイベントです。普通は社交ダンスから入り競技に移行するのですが、学連の場合は最初から競技のためのダンスをしていきます。競技会を“試合”とよび、結果を“勝つ・負ける”と表現します。他人と競い合い優勝することを主眼としたダンス。厳密には社交ダンスとは程遠い世界です。
そんな学連を経験した者たちが集まるイベントが「学連OBOGダンスフェスタ」。ダンスタイムという相手を誘って流れている曲を踊る時間。食事をする時間。自分の仕事や活動をアピールする機会もありました。私も個人事業主なので自院の宣伝も参加の理由になります。それ以外には共通のステップを踊ってみるという企画もありました。内容を列記すると一般的な社交ダンスパーティーなのですが、やはり学連OBOGという括りがあると違います。参加者基本的に元競技選手ですから動きが違います。というより違ってきます。主催者が決めたカップルで踊る企画では競技会モードに自然となるのかやっていて雰囲気が変わります。選手名がコールされる。出身大学を言われる。応援される。競技的な感じに皆さんなっていきます。私も。更に参加者全員で東京農業大学でいう“ナチュリバ”、東京理科大学でいう“ボックス”という基礎練習をするという時間。学連を象徴する練習方法で誰もが経験しているだろうもの。一般的な社交ダンスパーティーでは絶対にすることはないでしょう。学連時代を振り返ろうという内容でした。
フェスタ後は居酒屋に移動して打ち上げ。参加者は20名くらいだったと記憶しています。私はフリーで仕事をしているので大勢で居酒屋に行くというは学連関連くらいしかありません。飲み会までが練習会、という古き学連の習慣という感じです。そこで出身大学、世代を超えて話が弾みます。学連という世界は本当に印象深く、ずいぶん前のことなのにみんな昨日のことのように話します。良いことだけでなく苦しかったことや悔しかったことも。10代終わりから20代はじめの学連で過ごした4年間は非常に濃いもので、あの頃は1年ごとに毎月のことまで事細かに覚えています。学連の1年は30代のときの5年や10年に匹敵するような気がします。30代のことをそこまで細かく覚えていません。また各大学で特色があり、常識が違います。時代もありますが、話すと互いに信じられないという感想が漏れます。また同じ時期を過ごしたから、あの時は、という昔話ができます。昔話をする機会は普段ありませんし、特殊過ぎて学連を知らない人にはピンとこないもの。
私の場合、仕事がら学連選手と知り合う機会が多く、臨床歴も20年近くあるので広い世代で知っています。過去にあった印象的な出会いと、その相手と関係が深い方がいて、実はこのようなことがあったというエピソードになります。過去にみた選手が新井由紀子先生の教え子で参加者の知り合いだったという。長く続けていることで実は共通の知り合いがいたということがよくあります。新たな発見があることも『学連OBOGダンスフェスタ』に参加する恩恵です。
なぜ学連OBOGで集まるのか。懐古だけではなく、素の自分に戻れるということがあると思います。何の責任もなかった大学時代に。練習して、成績が出なくて他人を嫉妬して。呪いのように過去に囚われている。しかし学連時代の過去を糧に今があるわけです。皆さん多かれ少なかれ現在に影響があり、変えられない学連時代の先に今があります。そんなことを感じた打ち上げを含めた「学連OBOGダンスフェスタ」でした。
甲野 功
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