開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
昨日は鍼灸マッサージ専門学校生を招いて私の実技練習をしました。
一人であじさい鍼灸マッサージ治療院を開業し丸10年。最後に卒業した専門学校は東京呉竹医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科。そこでは同級生が27名いて毎日練習や勉強する環境が整っていました。卒業してからは自分から練習する機会を持たないとできない状況になりました。あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師になってからは鍼灸整骨院に就職。柔道整復師になってからは整形外科のあるクリニックに就職。新卒では職場で臨床経験を積みました。鍼灸マッサージ教員養成科では1年生の終わりから附属施術所での実習が毎日あり、臨床経験を積むことができました。それは同時に同僚、同級生がいて隙間時間で練習し合える状態。あじさい鍼灸マッサージ治療院を開業してからはその環境は無くなりました。
教員養成科を卒業してから何も学ばなかったわけではなく、卒後研修、セミナー、同業者の技術を受けに行く、書籍を読む、など技術を得ることはしてきました。昨年はお灸の技術を高めようと艾を捻る自主練習をしてきました。そして練習相手を探して自主練習をさせてもらいました。
幸いなことに鍼灸マッサージ専門学校に通う学生さんの知り合いが多いため、学生さんや卒業したばかりの新卒の先生に声を掛けて私の実技練習に付き合ってもらうようにしています。あくまで自分自身のために行うことなのである程度相手に負担をかけます。当院まで来てもらい時間を作ってもらうだけでも。ですから知っている方にかぎります。広く誰でもいいので来てくださいというのは複数の面でリスクがあると考えています。悪くいえばこちらの練習における実験台という立場なのですから。互いに信頼関係がある人でないと。
これまで何度か不定期で行ってきた練習会。今回はどちらかというと学生さんのニーズに合わせたものになりました。授業で習う鍼灸、マッサージ。それを用いて何ができるのか。学校の授業はまず基礎的なこと、安全に配慮すること、動きに慣れること、といったことが優先されます。学年が低いとこれをして体にどの影響するのか?という疑問が生じやすいのです。実感がわかない。この先にプロとして効果を出せるようになるのだろうか。そのような猜疑心が、程度によりますが、おぼえるもの。私の練習もありますが、卒業してこういうことができますよということを体験してもらうことも目的でした。それはこれまでの学生さんとのやり取りから自然と出てきました。
当日は按摩指圧、低周波鍼通電(パルス)、置鍼、マッサージ(オイルマッサージ)、美容(小顔)、マニュプレーションなどを行いました。私も手伝ってくれた学生さんも鍼灸マッサージ科。国家試験合格に合格すると
・あん摩マッサージ指圧師
・はり師
・きゅう師
の資格を得られます。そのための勉強や練習を学校でします。
あん摩マッサージ指圧師は“按摩”、“指圧”、“マッサージ”という3種類の徒手療法を扱います。一般の方には区別がつかないかもしれませんが技術が違います。はり師は“鍼”、きゅう師は“灸”をします。“鍼灸”とまとめることが多いのですが資格としては別々で中にはきゅう師のみで灸だけを行う人もいます。学校の授業ではそれぞれ別々に実技練習をします。学校によっては複合的な実技授業をするところもあるかもしれませんが、授業時間は少ないと思います。免許をとって“按摩”、“指圧”、“マッサージ”、“鍼”、“灸”の5種類をどう使っていくかは学校でまず習わないといえます。今回は学生さんが興味がある方面の施術内容で灸を除いた4種類を組み合わせたことをしてみました。もちろん私の練習ではあるのですが、学生さんにはせっかく来てもらっているのでプラスになるように。
まず按摩と指圧で背面の状態を把握しつつ緩めていきます。思った以上に肩が凝っていて腰が固かった。練習以前にどうにかしなければと思いました。続いて下肢に鍼をしてパルス通電を行います。筋肉パルスというやり方です。あまり鍼の刺激に強くないということで出力低め、時間短めで行いました。同時に肩、腰に置鍼という鍼を刺してそのままにしておくやり方。筋肉を緩めます。鍼を抜いた後にマッサージで浮腫みを取るようにしていきます。足を細く、ウエストを細くなるように。肩関節のマニュプレーションを行い、肩を緩めた首が長く見えるように。肩関節のストレッチも行いました。
仰向けになって前面の按摩指圧を行います。大腿四頭筋が発達していることを確認。下肢前面にパルス通電を行い大腿四頭筋が筋収縮するようにします。反応がとても良く、受けている学生さん自身も驚いていました。続いて下肢のマッサージで浮腫みを取るようにします。腹部の鍼がとても苦手ということなので按腹というお腹の按摩を行います。最近受けた後藤流按腹術も参考にオイルを用いたものも行いました。仰向けでも肩関節のマニュプレーション、ストレッチを行います。上腕や首へのマッサージも。
時間があったので顔の方も行いました。敢えて顔の鍼は行わず、徒手でのリフトアップを目的とした手技療法を行いました。普段はほぼ使わない(患者さんからの要望がない)美容系の技術ですが使うことがあるかもしれませんから技術を磨いておきます。理論も説明しながら。反応がいいので効果が出やすかったです。
終わって学生さんから感想を聞いたときに意外なことがありました。体軸がしっかりしていて足が床を掴んでいる感覚があるというのです。トレーニングをする方なのでそのような感想になったのでしょう。私としてはそのような意図をもって施術をしていなかったので驚きました。それを目的とするなら足のアーチを整えることや体の左右バランスを均等にするようなことをしていたことでしょう。棚からぼたもちのような副次的な効果が出たようです。本格的にウェイトトレーニングをしている人だと感覚が違うのだと思いました。そして鍛えている人の筋肉は質が違うなとも。
私には貴重な実践練習。学生さんには勉強。互いに良かった練習会になりました。
甲野 功
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