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電話:070-6529-3668

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~あまし学生の学生ペア割~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 按摩指圧の様子
按摩指圧の様子

 

 

先月から学生さんや新卒の方の来院が増えています。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師という国家資格の頭文字を総称して「あはき」と業界内で呼びます。更にはり師、きゅう師は鍼灸師としてまとめ、あん摩マッサージ指圧師はあまし師と省略します。当院では5年前から“学生ペア割”というあはき学生サポートコースを設けております。あはき学生(鍼灸専門学校、あん摩マッサージ指圧専門学校、鍼灸マッサージ専門学校、同分野の大学の学生達とそこへの進学希望者)を対象として、2名で来院してもらい体験と見学を交互にしてもらうというもの。5年前に当時の鍼灸マッサージ専門学校生が、学校付属の施術所ではなく一般に開業している先生の臨床を見学したいという希望を持っていたところ、一般患者への見学は不可というところが多く、断られた経験がありました。大学病院のような教育・研究を主とした施設なら一般患者さんの見学はできるかもしれませんが、商業目的の一般鍼灸マッサージ院等では見ず知らずの学生が見学する中で施術を許す人は少ないでしょう。また術者側も嫌うと思います。私も同じで当院の患者さんのプライベートを外部に見せることになるのでそれはお断りです。それならば患者役も連れてきて交互に見学すれば解決するよね、ということで生まれました。

 

一人3000円で希望する施術内容の体験・見学を解説付きで行います。私の場合は資格も技術も多いので様々な学生の要望に応えることができると思っています。学生ペア割という一つのコースですが、内容は美容鍼、鍼灸、リラクゼーション、按摩指圧など要望に沿うように内容を変えます。何故か今まで一番多いのが美容鍼。美容を前面に打ち出していないのですが、体験したい見学したいという声が多いです。次は鍼灸なのですが、その中でも低周波パルス通電、経絡治療、運動鍼など細かく変えます。また受け手の症状は関係なく技術そのものを見てみたいという場合、純粋に体が辛いので楽になりたい場合、体験は要らないのでずっと見学だけしたいというものもありました。つまりその時々でやることが違うということです。何なら技術よりも講義(説明)の方が時間が長かったり、そちらを重視したりすることもあります。事前に質問事項を挙げてもらうことも多いので資料を用意することもしばしあります。過去に視覚支援学校の学生さんが来たときは視力に個人差がありましたが、ほぼ視力がない学生さんには口頭での説明を凄くしました。

 

さて先日来院した学生さんはあん摩マッサージ指圧専門学校生のお二人でした。あん摩マッサージ指圧師になるためだけの学校は(視覚支援学校を除くと)非常に少なく、全国で2校(あん摩マッサージ指圧師科で言えば合計3校)しかありません。私のように鍼灸と同時にとる鍼灸マッサージ科(本科とも呼ばれる)がある学校は20校ほどあるのですが。あまし専門学校に通う学生さんが来院したことは過去にありましたが、学生ペア割では初めてです。希望するコースは按摩指圧。鍼灸をしない。学生ペア割を5年以上してきて、初めてのことでした。

また質問事項や要望には、

指圧・按摩・マッサージの違いと用途別の選択方法

理学検査と手技をどのように関連させるのかを実技で見たい

卒業後の進路相談

といったものがありました。

私自身があはき師(かつ柔道整復師でもありあはき専門学校の教員免許持ち)であるため結構難しい内容です。鍼灸も使う、鍼灸資格を持っているという前提でやってきているので。

当日は来院した学生さんの前職や特技といったバックボーンを聞いた上で、卒業後にどうしたいのかをヒアリング。それを踏まえて行いました。

 

まず指圧・按摩・マッサージの違いについて。鍼灸は十人いれば十種類やり方がある、と言われるくらいやり方(流派)が多くてよく言えば多様性、悪く言えばまとまりがない、ものです。一方、目立ちませんがあん摩マッサージ指圧師もかなり学校によってやり方が違うのです。そもそも一つの資格になっていますが、あん摩(按摩)とマッサージ(massage)と指圧は元々異なる技術。発祥国も歴史も技術体系も異なります。共通するのは徒手で行うということ。更に指圧と言ってもその流派はいくつかあります。按摩も古法按摩に分類されるものがあります。マッサージも種類があり、細かい技術が違うのです。奇しくもその研究を今年のテーマにしていて昨年から調査をしてきていたので詳しく説明することができました。学生さんにとっては母校の技術しか触れる機会がなく、それしかない(これが主流である)という考えになってしまいます。その学校の技術は他のやり方と比較してこのような特徴がありますよと説明しました。そして他のやり方にはこのようなものがありますよと。あまし師は(晴眼者の)絶対数が鍼灸師に比べると少ないので流派の対立とか比較というものが少ないです。より我が道を行くというか、他と交わる必要もないという感じがあります。

 

理学検査についてはしっかりと解剖学・生理学・運動学を学んでくださいという話をしました。今はあはきも病態把握といって症状がどのようなことが原因になっているか徒手検査をして考えるようになっています。そのためにはきちんと座学を勉強して検査の機序を知らないといけません。ヤーガソンテスト、スピードテスト、ストレッチテストなど横文字の理学検査法を覚えないといけないのですが、それは授業を受けて理解するしかありません。その上でどのようにあまし手技を用いてアプローチするのか。それも解剖学が分かっていれば対応策は自然と浮かびます。反対にただ押して揉めばいいというわけではないということを伝えました。日常生活や既往歴から今このような状態になっているのではないかと考察した上で、徒手刺激によって体が変化していく様子を見てもらいました。

 

卒業後の進路については施術体験・見学の前にしっかりと業界の状況を説明して、どの分野に進みたいかで変わりますと話しました。あましに限らず学生さんにいうのは、あなたの将来は学校で教えてくれませんから自分で考えて自分で決めるしかないですよ、ということ。方針をまず決める。そのために何が必要か考える。そのためにどのような環境に身を置くのか。鍼灸師とあまし師では結構、就職環境が違います。開業するためのハードルも違います。社会環境、法律、そして今後の社会情勢。ここら辺はずっと調査しているのでこれまでのこと、現状、将来予測を踏まえて相談に乗りました。

 

今年2025年のテーマを『按・マ・指を探求する』としています。“按・マ・指”とはもちろん“あまし”と同じこと。3種類をより明確に分けるために漢字・カタカナで表記し・で区切りました。このタイミングであまし学生さんが来院したのはちょうど良かったわけです。また鍼灸抜きのあまし技術を全力で出し、説明することで私自身の復習や頭の整理になりました。これまで取り組んできたことが発揮できました。

 

甲野 功

 

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