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~新宿区医務関係施設一覧の公表~

新宿区ホームページより 施設一覧(医務関係施設・薬事関係施設)
新宿区ホームページより 施設一覧(医務関係施設・薬事関係施設)

 

 

つい最近気付いたのですが当院がある東京都新宿区では医務関係施設をホームページで公表するようになっていました。

 

新宿区ホーム くらし 健康・医療・衛生 生活衛生・動物 医薬衛生 施設一覧(医務関係施設・薬事関係施設)

 

そこの文言を抜粋します。

新宿区内の医務関係及び薬事関係施設について、各法令に基づく届出等の施設一覧を掲載しています。

全施設の一覧は、年度末日時点を翌年度の4月10日に、また、新規及び廃止施設の一覧は、毎月分を翌月10日に更新します。(令和6年5月10日より公開開始)

昨年の5月10日から公開開始をしたというから最近のことです。新宿区内の医無関係施設と薬事関係施設がどのようなものがあるか情報を掲載し始めました。

医務関係施設とは具体的に、診療所・歯科診療所・施術所・歯科技工所を言います。もう少しかみ砕くとまずクリニックとも言われる病院ではない診療所。診療所と病院は同じなのでは?と思う方もいらっしゃることでしょう。どちらも医師がいる医療機関なのですが医療法によって規模、設備等で分類されており、病院と診療所(クリニック)は異なります。歯科診療所はいわゆる歯医者さんで歯科技工所は歯の詰め物や被せ物、入れ歯を作るところです。そして施術所は私が関係するところです。これらの医務関係施設は厚生労働省が管轄する国家資格者が関わり保健所の指導を受けます。法律で設備基準が定められており、上記のように各法令に基づく届出等がされています。つまり行政(ここでは新宿区、具体的には保健所)が管理している施設です

 

施術所について更に説明しましょう。施術所とはあん摩マッサージ指圧師はり師きゅう師柔道整復師の4つの国家資格を持つ者が出すことができる施設です。この4資格は法的に開業権が認められております。つまり独立して施設を開設することができます。どういうことかというと医療機関の中で医師の指示の下、業務を行わなくてもよいというもの。看護師、理学療法士、作業療法士らの多くのコメディカルと言われる医療職種は病院などの医療機関の中で医師の管理下で業務を行います。むしろそれが一般的で4資格(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師)は特例と言えるでしょう。私はこの4つの資格を取得していて『あじさい鍼灸マッサージ治療院』という屋号の施術所を新宿区の保健所に届出を出して開業しています(※法的には開設していると表現する)。その施術所一覧が掲載されています。

 

施術所【令和7年3月31日現在】 [PDF形式:1.1MB] (新規ウィンドウ表示)

 

毎年内容は更新されて、年度末の3月31日現在の情報が掲載されています。この情報もつい最近更新されており、少し前までは令和6年3月31日現在の情報でした。中をみると各施術所の情報が詳細に掲載されています。

順番は所在住所のあいうえお順です。当院だと屋号は“あ”で始まりますが最初ではありません。所在住所が東京都新宿区市谷甲良町で東京都新宿区は全て共通ですから市谷甲良町から。“い”で始まる住所なので施術所一覧でもかなり前の方にあります。令和7年3月31日現在で12番目に掲載されています。

 

 

新宿区施術所 情報公開リスト より
新宿区施術所 情報公開リスト より

 

 

 

この施術所リストはとても重要です。

まず情報が掲載されています。施設名称(屋号)はもちろんのこと、開設者の氏名もしくは団体名、所在住所開設年月日診療科目が公開されているのです。これは新宿区の保健所に申請した情報で正式なものです。これの何が重要なのか。

嘘のような話ですが保健所に届け出た施設名称と屋号が違うことがあります。例えば保健所には○○整骨院という施設名称で届けているのに店舗に架けられた看板は○○サロンとか○○整体院としてあるとか。屋号というのは強力な広告媒体であり、都合よいものに変えてしまうことがあるのです。だったら最初からそのように保健所に申請すればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、関連法律(あはき法、柔整法、医療法など)やガイドライン(あはき・柔整広告ガイドライン、医療ガイドラインなど)によって屋号の付け方には制限があるのです。よってきちんと情報公開リストと照らし合わせるとインチキしていることが分かってしまいます

次に開設者の氏名や団体名。責任者にあたります。当院は私の氏名、甲野功が記載されています。これが企業や団体である場合もあります。開設者と院長(現場責任者)が異なることはあるわけです。それが判明するだけでもかなりチェックすることができます。開設者には責任が伴いますので、何かおかしな点があれば開設者に問い合わせ(時には処罰)がいきます。

開設年月日を見ればどれくらい続いているか分かります。何十年も続いているのか、できたのがつい最近なのか。利用者としては気になるところでしょう。ただし開設要件を変更する場合は廃業して新たに開設するので、データ上は新しいが実際には長く続いているという施術所もあります。開設者が変わる、引っ越して住所が変わるといった場合もやり直しになります。イベント出店だと解説して1日で廃業ということもあります。新宿マラソンの鍼灸ボランティアだと毎年出店していますが、その都度開設と廃業をしています。

所在住所はもちろん店舗がある場所。出張専門の場合は事務所や術者の自宅になります。中には住所非公開で行っている施術所もありますがこの一覧を見れば住所が分かってしまうのです

診療科目はあん摩、はり、きゅう、柔道整復のいずれかを示します。厳密にいうと“診療”という用語は医療法に抵触すると思われますが公的データには採用されているのだなと感じます。「あん摩」はあん摩マッサージ指圧師の、「はり、きゅう」は鍼灸師の、「柔道整復」は柔道整復師の行う業務です。前半を「あはき」とし、柔道整復を「柔整」と略します。法律が違うので「あはき」と「柔整」は別々に届出しないといけません。業種という欄が“施術所(あはき)”と“施術所(柔整)”と分かれているのはそのせいです。私はあはき・柔整と両方もっていますが施術所として開設しているのはあはきのみです。柔整もできますが出していません。そして診療科目に話が戻りますが、あん摩、はり、きゅうで届出をしています。あはきの中でもはり、きゅうだけ、あるいはあん摩のみというところもあります。ここで重要なのが○○鍼灸院という屋号なのにあん摩も申請している、△△鍼灸マッサージ院なのにはり、きゅうだけであん摩がない、というところがあるのです。今年運用が始まったあはき・柔整広告ガイドラインでは分かりづらい屋号は避けるように定められているので今後はこのような屋号が認められなくなっていくことでしょう。言い換えると保健所にははり、きゅうだけで届出を出しているのにマッサージ行為をしているとしたら、それは違法になる可能性があるということです。

 

更に毎月新規開設された施術所が発表されています。翌月の10日をめどに更新されます。

 

施術所 3月分新規 [PDF形式:268KB] (新規ウィンドウ表示)

 

これを見ると新たにできた施術所が分かります。屋号はそのままで開設しなおしたところから、まさに新規で始めるところも。毎月の情報をチェックすると業界の活性がうかがえます。当事者である私にとっては競合になるので注目します。

反対に廃業した施術所も毎月公開します。

 

施術所 3月分廃止 [PDF形式:191KB] (新規ウィンドウ表示)

 

これを見ればどこが廃止、すなわち辞めたのかが分かります。何年続いたのかが分かります。また新規と見比べれば一度辞めて開設し直したのかも分かるのです。こちらも新宿区における業界の動向が見えてきます。

 

このように施術所情報は見る人が見れば多くのことが分かってしまうのです。施術所一覧はチェック機能を備えています。私が見れば、保健所に申請しないいわゆるモグリで行っている鍼灸院があることも分かります。反対にモグリでやっていたところがきちんと保健所に開設届を出して登録したのだなと分かったところもあります。

昨年からなぜ情報を公開するようになったのでしょうか。それはきちんと保健所が指導するためではないかと私は考えています。景品表示法、医療広告ガイドライン、あはき・柔整広告ガイドラインなど誇大広告、虚偽広告を取り締まる動きが近年活発になっていると感じています。新型コロナのこともあり、医療関連で嘘あるいは誇大な宣伝は大きな問題になります。利用者によっては医療系国家資格を持ち、きちんと保健所に申請を出して指導下にある店舗とそうでない店舗の区別がなかなかつかないでしょう。整体院と整骨院の区別がつかない。医療機関であるかのように勘違いさせる屋号。そういったものをきちんと取り締まるために施術所を含めた医務関係施設の情報を公開した。この一覧にないものは保健所の指導が入っていない施設でありますよと他の行政機関にも分かるように。繰り返しますが私のように分かる人が見れば法令に基づいた届出と実際にやっていることが違っていることが情報公開することで判明します。そして証拠になります。

 

昨年から情報公開した事情は分かりませんが、近年の状況を考えると新宿区が先手を打ってきたのではないかと勘繰ってしまいます。

 

甲野 功

 

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