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突然ですが神社とお寺、どちらが国内に多くあるかご存知でしょうか。答えは圧倒的に神社です。神社の場合、お社があればカウントされるので小さな規模も含めると膨大な数があります。文化庁文化部宗務課が出している「宗教年鑑」令和6年度版によれば神社の総数は80,653社。寺院(お寺)は76,551ヵ所。数千のオーダーで神社の方が多いのです。
細かい社として当院近くにある非常に小さな神社、正一位稲荷神社を今回紹介しましょう。
御祭神は正一位稲荷大明神。
場所はかつて試衛館があったとされている所のすぐそば。牛込柳町駅南東口から大久保通りに出て坂を上り、柳町病院の前を曲がります。隣のメディアシストの駐車場に試衛館跡の碑が建っていますが、その横に小さな社が鳥居と共にあります。ビルの狭間にひっそりと。周囲を柵に覆われて近づくことはできません。非常に分かりづらいところにあり、まさに知る人ぞ知るところです。
私が子どもの頃からあり、一度も柵の向こうに行ったことがありません。幼少期には、これは何だろうと疑問に思っていました。狭い裏道の途中にあり、探検するような気持ちでその狭い道を歩くのが好きでした。家に帰る途中、車道を進めばいいところ、少しだけショートカットできるので狭い足場の悪い住宅の狭間の道を歩きます。その途中の曲がり角にこの神社があるのです。当時は神社がどういうものかよく分かっていませんでした。小学校高学年になるにつれて何か悪いものを封印しているのではないかと考えるようになり。成長していくとそんなわけないだろうと達観し、そのうちどうでもよくなっていきました。
大人になって神社と寺院の違いが分かるようになり、各地の神社仏閣を巡るようになると。本当に近所にあるあの社は何だろうという疑問が再び浮かびました。
数年前に注目を浴びることがありました。それは大河ドラマで『新選組』が放送され、劇中で試衛館が出てきていた頃。いわゆる聖地巡礼というものでドラマファンがこぞって試衛館跡を訪れました。そして何も残っていないことにがっかりするという。その時にいかにも歴史がありそうな古い社が建っているので何か関係があるのではとみんな見ていました。ただ何の解説も建っていないので、それが何なのか分からない。
実際に江戸時代に試衛館のそばにあったと伝わるお稲荷さまがこの正一位稲荷神社。地元の人は「試衛館稲荷」と呼んでいたとも。生まれからずっと地元の私は一度たりとも聞いたことがありませんが。
今回調べて初めて神社であること、名称が正一位稲荷神社であることが分かりました。正直いつからあるのかもよく分かりませんでした。ただつっかえ棒で横から支えている建物を令和の時代に見るとは。壊されたり移転したりせずに少なくとも私の記憶のある40年以上残しているのは何かしらの原因があるのでしょう。近所に住んでいた人も知らないことがあり、一度連れて行ったら大変驚いていました。まるでそこだけタイムスリップしたかのようで。
こちらを地元の名所と呼ぶのかは悩むところですが、とても興味深いことは確かです。人が立ち入っているところを見たことがありません。知らなければ見つけることも困難でしょう。だからこそ地元の人間が知る不思議な神社として紹介したいところなのです。
甲野 功
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