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~NHKであはき・柔整広告ガイドラインが特集された~

NHK Eテレ きょうの健康から
NHK Eテレ きょうの健康から

 

 

先日の夜NHK(Eテレ)で「あはき・柔整広告ガイドライン」の特集が放送されました。

 

きょうの健康 ニュース 「肩こり腰痛の悩み こんな広告に要注意!」 初回放送日:2025年4月17日

 

あはき・柔整広告ガイドラインについては何年も前から情報を追っかけてきました。新型コロナが始まる6年前に広告検討会が発足され、途中の中断を挟みやっと今年正式に施行されました。

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の頭文字をとって“あはき”。柔道整復師を省略して“柔整”。あはき・柔整広告ガイドラインとは主にあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の業務に対する広告について新たなルールを決めたもの。この4つの資格は開業権が法的にあり、施術所として店舗(※あはきに関しては出張専門でも可能)を持つことができます。更に画期的であるのがあはき柔整以外のこれらの資格がない者に対しても本ガイドラインを適応させるということです。

 

番組には広告検討会の座長を務めた東京慈恵会医科大学特命教授福島総先生が出演し解説を行いました。映像に関してはテレビがなくともNHK+というアプリケーションで視聴可能ですし、放送内容をテキスト化して掲載されています。この内容がNHKで夜8時台で流れたことは非常に大きなことだと思います。遂に厚生労働省が本腰を入れてきたという感じがします。私は挙げた4つの資格(あはき柔整)を全て持ち、あじさい鍼灸マッサージ治療院という施術所を開設している当事者。20年以上この業界にいて実体験で問題、不条理、法律、判例をみてきました。この15分の放送をみて気になったことを書いていきます。

 

●医業類似行為の定義

医業類似行為。この用語が地上波ではっきり出されるとはという気持ちがあります。業界内でもその判断が分かれます。本放送で医業類似行為とは「お医者さん以外の人が機械を使わずに主に手を使っていろんな施術をするのをいいます」と福島先生が話しました。そして医業類似行為には2種類あり、一つが国家資格を持つ者が行うもの、もう一つは国家資格ではない者が行うものという。後者に関しては、法律に基づかない民間療法としました。

これは現在の政府、行政の考え方です。医師か医師以外か。医師(医師免許を持つ者)が行う行為が医業で非医師(医師免許を持たない者)が行う施術行為を一律に医業類似行為とする。医業類似行為には狭義の医業類似行為と広義の医業類似行為があるという解釈です。この言い方に異論反論が出ることがあります。細かい説明は別のところでしますが、元々医業類似行為とは誰もがやってはいけない違法行為を指しました。戦後の特例で届出医業類似行為者というその人限りで特例で仕事としても構わないという措置をした。時代が下り現在の解釈ではあはき柔整も医業類似行為に該当すると、少なくとも行政、政治は判断しています。法律の制定時には違法行為をさすものだった医業類似行為にあはき柔整が入ることを認めないという意見。更にはあはき柔整は医業類似行為ではないことはもちろん医業に入るという考え。医師、あはき柔整、民間資格、行政、国会など立場によって意見が異なります。国会質問の答弁や総務省や厚生労働省の見解ではあはき柔整は医業類似行為に該当するものと近年は判断されています。過去の判例では医業類似行為ではないという判断も医業類似行為に入るという判断も両方が見受けられます。業界団体についてもそのスタンスは異なっているでしょう。

また主に手を使う(すなわち機械を使わない)というように限定したことにも注目していて、過去の医業類似行為の定義には光線療法や温熱療法など器具を用いたものが入るという資料があります。ここで敢えて主に手を用いたとしたことは何かしらの意図を感じます。専門家ですからそのような背景を知らないはずがないでしょうし。

 

今回大学の特命教授が国営放送で医業類似行為の定義を述べたことは、社会的な影響が大きいでしょう。あはき柔整は医業類似行為になります。民間療法と同じです。その代わり、後で触れますが、一律に広告制限をかけますよという意志を感じたのです。あくまで私の捉え方ですが。

 

●あはき柔整は国家資格である

我々からすればあまりに当然のことなのですが、敢えて強調したとも言えます。言い換えるとあはき柔整以外は国家資格ではないとも。もちろんあはき柔整以外にも(厚生労働省が管轄する)国家資格はたくさんあります。看護師、管理栄養士、放射線技師など。コメディカルと言われる医療機関で働く医師以外の職種は国家資格のわけです。今回強調しているのは市井の施術所は国家資格がいるところだと言いたいのかと思います。それは国家資格とは文部科学省または厚生労働省が認定した専門学校・大学で3年以上の教育を受けて、国家試験に合格した人のみが行える施術であると説明しています。このことを知らない視聴者に説明して、例えば自動車普通免許も国家資格ですが教習所に通って取れるものとは(難易度が)違いますよと伝えるような。そして施術所を開設するときには、都道府県知事や保健所に届け出が必要であることも。勝手にお店を開いているわけではないのだと伝えているのです。人の体にかかわる施術のため安心安全に行われる必要があり、厳密な資格となっています、ときちんと説明している。さらに広告に関しても「あはき師法」、「柔道整復師法」という法律に従って広告することになっていると。

 

●国家資格でない施術

あはき柔整が国家資格であることを強調すると同時にそれ以外は国家資格のない民間療法だと述べています。具体的には

整体

カイロプラクティック

リラクゼーション

リフレソロジー

骨盤矯正

を挙げています。あん摩マッサージ指圧師の私からすると指圧にはアメリカ三大整体(カイロプラクティック、オステオパシー、スポンディロセラピー)も含まれるだろうとか、あん摩・マッサージを除く徒手療法全般を指圧に統合する形で法律が整備されたとか、細かい定義や歴史的背景があるのですが。はっきりとこれらに挙げたものは国家資格ではない、民間療法である、としました。そして民間療法は法律の制限を受けていないということも説明しています。この内容も異論反論が起きると思われます。巷には“国家資格を持つ整体師”という人がいます。柔道整復師、鍼灸師、理学療法士などが自らを整体師と名乗る場合があります。整体という用語は世間的に医学的地位があるような認知をされていている部分があります。それをはっきりと整体は国家資格ではないとしたのです。このことについては更に後で触れます。あはき柔整の国家資格は法律(あはき師法、柔道整復師法)によって広告の制限を受ける。一方、民間療法の国家資格のない領域でも誤解を招く表現や誘導のあり方について検討し本ガイドラインに掲載したとしています。「※自主的な取り組みを促す」という注釈を入れて法的拘束力はないことを示唆していますが、厚生労働省が出したガイドラインをNHKの放送で医大特命教授が説明すれば社会的影響力はあると思われます。

また暗に今後の放送についても警告をしているように感じます。ホームページのテキスト記事では『なかには法的資格がないのに医療まがいの行為をしているケースもあり、事故も報告されている』と記載しています。法的資格がないというのは整体らを示すわけで、それを“医療まがいの行為をしているケースもある”と表現しました。特に民法で見受けられますが、あたかも整体を真っ当な医療行為のように取り上げているバラエティ番組があり、今後どのようになっていくのか注目します。NHKが、厚生労働省が、このように説明して今まで通りにするのか。

 

●施術者について広告不可な例 整体

広告ガイドラインの内容を説明するところで、施術者について広告不可な例として「整体」を挙げました。福島先生は「整体って何ですかというと定義がないわけですね。」と発言しています。さらにテロップでは『柔道整復:何をするのか規定されている 整体:何をするか決まっていない』と表示されて整体が曖昧なものであることを柔道整復と比較して述べていました。これにも一部から異論反論があることでしょう。施術者として整体と広告できない。更には整体とは何をするのか決まっていない。こうされると困る人はいるでしょう。整体は法的資格もなく何をするか決まっていないことだから、誰だってできるものですよと捉えられてしまう。少なくとも国家資格のあはき柔整は施術者として整体師という肩書は広告しないようにという話になるでしょう。放送内でむしろ積極的に広告する項目として国家資格保有の事実を挙げていました。もちろん流れで判断すればこの国家資格とはあはき柔整を指します。あはき柔整はしっかりと国家資格を持っているということを打ち出すようにと。

 

●国家資格のない施術の広告

「マッサージ」という施術はあん摩マッサージ指圧師という国家資格のある人が行う施術ですと説明しました。この事実は世間的に知られていないと当事者として感じています。それをしっかりと放送で述べました。そもそも按摩(あん摩)という用語は視覚障害者への差別用語としてマスメディアでの取り扱い注意とされています。率直な感想として放送にここまで何度も“あん摩”マッサージ指圧師の用語が出てくるものを私は知りません。そして国家資格がないのに「マッサージ」という語句を使うことは、国家資格ある人の行う施術をしているように誤解を招くため、そうした表現はしてはいけない、と本ガイドラインで明記されたことを伝えます。マッサージは国家資格を持つ人の手技なので資格の有無をはっきりさせると福島先生は述べたのです。ここまではっきり言ったのは重要だと私は思いました。そしてここを明確にするのはマッサージでも保険適用がされることを広告しても構わない(むしろ広告した方が好ましい)という部分に繋がっていきます。

 

他にも専門性を謳ってはいけない、あたかも特別な技能があるかのように錯覚させるため。事故が多発していることを重くみて、厚生労働省は利用者が不適切な広告につられて選択して後悔しないように本ガイドラインを公表した。など気になる点がありました。観ていない方はぜひ一度視聴してもらいたいと願います。

 

今回のあはき・柔整広告ガイドラインのことを特集した「きょうの健康」。NHKのEテレで夜8時台に放送したことは業界にとって大きなことです。そもそも論になりますが、危険で法的根拠のない施術そのものを取り締まらないのかという話。これについては過去の裁判やこれまでの行政判断により実行しづらいのが現状です(全くしていないとはいいません)。景品表示法も含めて広告面から未然に防ぐという手段に厚生労働省が進んでいることを感じます。また厚生労働省は法的に開業権があるあはき柔整の4資格免許を国家資格であり、それ以外は無国家資格とはっきり区別するという方針を感じます。この放送では触れませんでしたがあはき・柔整広告ガイドラインでは、たとえ他の医療系国家資格を持っていてもその業務範囲外のことをしていればそれも無資格者である、と無資格者の定義を変えています。さらに本ガイドラインは努力義務であり法的拘束力はないとしながらも、このようにNHKで放送することで周知させることで間接的な効果を狙っているのではないかと感じました。業界の環境が変わる。それを予感させる出来事です。

 

甲野 功

 

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